江戸時代に建てられ現在は旅館として使われる愛媛県西条市黒瀬の京屋旅館別館「歓喜庵」で２３日、初めての結婚式があった。見頃になった紅葉に囲まれ、参列者は新郎新婦の新たな門出を祝った。 歓喜庵はかつて石鎚山登山客の宿として使われていた築約１７０年の日本家屋。約１０年前に現在の場所に移築された。桜やヒメボタルなど四季折々の風景が楽しめ、石鎚山系の自然も一望できる。今回、地域の文化を見つめ直し落ち着いた時間を新郎新婦に過ごしてもらおうと、初めて企画した。 式を挙げたのは同市の会社員小野寺亮さん（３３）と妻千文さん（２２）。美しく色づいた紅葉を背景に、純白のタキシードとウエディングドレスに身を包んだ２人は神父の前で永遠の愛を誓った。 披露宴では友人や親族ら約３０人が、地元産シイタケやイノシシ肉の炭火焼きをほお張った。参列者は前日から旅館に宿泊、式の後も温泉に入ったり語り合ったりして過ごした。 亮さんは「屋外の挙式は少し迷ったけど、紅葉もきれいでいい結婚式になった」と満足そうに話し、千文さんは「アットホームな式で、一番身近な人たちに見守られうれしかった」と笑顔を見せた。
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