愛媛県愛南町と宇和島市、高知県宿毛市をまたぐ篠山(1065メートル)に群生するアケボノツツジが、従来、九州にしか自生しないとされてきた変種のツクシアケボノツツジであることが分かり、県は現在、県レッドデータブック(来年秋改訂版出版予定)の絶滅危惧Ⅱ類に新規登録する検討を進めている。 アケボノ―は紀伊半島と四国の標高500~1500メートルの山地の岩場や疎林に自生し、県内では東赤石山系や石鎚山系に分布。一方、ツクシ―は「筑紫」を意味し、大分、熊本、宮崎、鹿児島の4県の山地に広がる。アケボノ―が雄しべ10本のうち短い5本の根元に白い毛が密生しているのに対し、ツクシ―は無毛なのが特徴。 高知県植物誌(2009年出版)で篠山の高知県側に自生するのがツクシ―であると記載され、松山市正岡神田、樹木医の故得居修さん(82)=5月30日死去=が10年5月、愛媛側の山頂や尾根沿いでも確認した。
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