暗く汚いイメージから、明るく楽しい場所に-。愛媛県西条市西泉、橘小学校のトイレがカラフルな絵で彩られ、児童や保護者から大好評だ。描いているのは土居元海(もとみ)校長(56)。スーツから作業着に身を包み、4階建て校舎各階などにある校内全てのトイレに絵を施そうと奮闘している。 「学校は楽しめる場所じゃないといけない」。土居校長は2012年4月の赴任以降、学校の周りに張り出されている児童の人権標語に挿絵を入れたり、校内のさびた配電盤や靴箱の色を塗り直したりしてきた。壁が薄汚れ、個室を仕切る板も一部が朽ちるなどしていたトイレも「もともと汚くては、子どもにきれいに掃除をしてと言っても無理だ」と便器の尿石を削り、壁をペンキで白く塗り直すなどした。 その様子を見た当時の6年生が、トイレの壁に絵を描いてみてはと提案。「絵はほとんど描いたことがなく、言われた時は本当に困った」と土居校長は苦笑する。
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