3人に1人が65歳以上の愛媛県宇和島市三間地域に、車内を歩きながら商品を選べる移動販売車が登場した。旧町花にちなんだ「移動スーパーコスモス号」。導入した藤田ストアー(同市三間町宮野下)の樋口宏治さん(43)は「お年寄りに買い物する喜びを提供し、生きがいづくりに貢献したい」と優しく語る。 東京でシステムエンジニアをしていた樋口さんは1997年、妻の実家の店を継ぐため故郷に帰った。しかし、過疎・少子高齢化が進み、最近20年間で地区人口は12%減り、高齢者は16%増。売り上げは帰郷当時に比べ半分以下に減った。 「客が来ないなら、客の元へ店ごと持っていこう」。一念発起し、移動販売トラック(3トン)を購入した。日曜祝日を除き午前10時から約20カ所を巡り、年約1500万円の売り上げを見込む。
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