愛媛県四国中央市の柔道界が脚光を浴びている。旧市町別に活動していた柔道会が統一組織「宇摩柔道会」を設立して11年。地域一体、一貫指導の成果が表れ始め、今夏、地元の中学、高校生が県内や全国の大会で活躍した。川之江北中男子柔道部は7月の県中学総体で優勝し、全国大会に出場。個人でも川之江北、三島東両中の男女計4選手が全国を経験、1人は3位に入った。高校生も負けてはいない。三島高柔道部の男女団体が6月の県総体でそろって準優勝。女子は上位2校に与えられる四国大会出場権を初めて獲得した。国際大会で華々しい成績を残した新田高1年立川新君(15)は同市出身だ。 有望株が次々と育つ背景には、2002年に発足し、約100人の子どもを指導する宇摩柔道会の存在がある。従来、宇摩地域では、小学生年代は土居、三島、川之江の各柔道会で活動し、中学生年代は各学校の部活動で個別に練習。小中学生が一緒に汗を流す機会はほぼなかった。 しかし04年の新市誕生を見据え「旧自治体の垣根を越え、地域の指導者が一丸となって地域の子どもたちを育てようという共通認識を持った」と、指導者の一人、石井和隆さん(44)は振り返る。
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