ビデオは放送部の2、3年生計6人が今年1月制作。中学時代からハンセン病の学習に取り組んでいた3年宮田真衣さん(17)と青野真由子さん(18)が「周囲の人たちに学習したことを伝えたい」と、中川和倫顧問(54)に相談したのがきっかけだった。 昨年7月と12月、高松市の国立療養所大島青松園を訪れ、県出身の入所者2人から、社会と隔離された差別の体験談や未来を担う若者へのメッセージを計約5時間にわたって聞き取り。西条市でハンセン病がテーマの人権啓発劇を開いた市民も取材し、14分30秒の映像にまとめた。 「入所者の心の傷は今も癒えず、家族と会えないでいる状況に衝撃を受けた。ハンセン病問題を知らない生徒も多いので、伝え続けていきたい」と青野さん。中川顧問は「生徒の素直な気持ちが伝わる作品。学校教材として活用し、正しい知識を広めてほしい」と話している。 コンクールは地域に根ざした視聴覚教材の自作と活用を推進しようと、日本視聴覚教育協会が実施。今年は小中高校と社会教育の4部門に計106点が寄せられた。
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