国重要文化財(重文)の「木造一遍上人立像」を焼失した愛媛県松山市道後湯月町の宝厳寺の火災を受け、県内の国宝や国指定重文の防火・防犯状況を調べていた県教育委員会は9日、調査結果を発表した。消防法で義務付けられている自動火災報知設備を設置していない建造物が1件あったほか、消防訓練を実施していなかったり、自衛消防組織がなかったりと、防火体制の不十分さが浮き彫りになった。 県文化財保護指導員や各教育事務所、市町教委などが立ち入り調査。建造物37件、屋内保管の美術工芸品104件を対象とした。 県教委文化財保護課によると、所有者が消防訓練をしていないのは建造物13件、美術工芸品13件で全体の約2割。建造物のうち半数以上の21件で火災発生時の自衛消防組織がなかった。
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